犬の多飲多尿で疑われる病気

犬や猫にとって、飲食や排泄行動は健康状態のわかりやすいバロメーターです。
摂取する水分量が増え、おしっこの量や回数が増える事を多飲多尿といいます。
飲水量は変わらずにおしっこが少量しか出ず、何度もトイレをすることを頻尿といい、多飲多尿にはなりませんが、いずれも何かしらの健康状態の問題を抱えている事があります。

多飲多尿の原因

必要な飲水量は、尿を作る腎臓や腎臓の働きに関わるホルモン、喉の乾きによって決まります。
このため、腎臓やホルモンに異常があると、飲水量やおしっこに関わる症状が現れます。
腎臓の働きに異常があり、体内の水分が不足すると喉が乾くので飲水量が増えます。
精神的にストレスを受けたり、服用中の薬の副作用や、腎臓に関わる病気でも同様の症状が起きる事があります。

多飲多尿で確認する事

飲水量や尿の量に変化がないか、普段からチェックしている事が大切です。

適切な量

健康な状態では、1日の飲水量は体重1kgあたり40〜60mlで、おしっこの量は20〜45mlです。
異常を感じたら、毎日決まった時間に飲んだ水分量を測って確認しましょう。
おしっこの量を測るのは難しいので、飲水量で判断するようにします。
毎日の飲水量を確認し、1日に必要な目安量の2倍以上であれば、明らかに異常があると考えられます。

食べた物や生活環境

食べた物の内容や気温などの影響によって、飲水量は変化があります。
特に犬は、運動量が増えると飲水量が増えますが、おしっこの量が極端に増える事はありません。

おしっこの状態

部屋の中にトイレがあるなら、おしっこの状態を観察してください。
尿の色が薄い場合、おしっこの量が増えている可能性があります。
ベタベタしていたら、糖尿病の疑いがあります。

避妊手術をしていない子

メス犬の陰部からおりものが出ていたり、腹部が張り、元気がなく食欲が低下しているのに飲水量が増えている場合、子宮蓄膿症の可能性があります。

脱毛や腹部の張りがある

副腎皮質機能亢進症の可能性があります。

元気・食欲低下、体重の減少

糖尿病、糸球体腎炎、間質性腎炎、上皮小体(副甲状腺)機能亢進症などが疑われます。

多飲多尿で気をつけたい事

たくさん水を飲むようになるとおしっこも増えるので、お水を控えてしまう飼い主さんがいますが、これはNGです。
水分量が不足すると、脱水症状を起こす事があるので、いつでも自由に新鮮な水が飲めるようにしておきましょう。
多飲多尿の状態が続くと肝臓や腎臓、心臓にも負担がかかり、病気になる事があります。
病気を防ぐために、また、軽度の状態で治すためにも、異常を感じたら早めに動物病院で検査を受けるようにしましょう。

 

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