飼い主さんのモラル向上や、食べ物の質や獣医療技術の進歩によって、犬の寿命が伸びています。
シニア期に現れる老化症状にいち早く気づいて適切なケアをしてあげることで、愛犬の健康寿命を伸ばしてあげることができます。
一般的に7歳くらいからシニア期に入っていくので、愛犬が7歳を迎える頃から意識的にチェックするようにしましょう。
足が震えたりよろける
足がぷるぷる震えるようになったり、足元が覚束なくてよろけるようになるのは老化のサインです。
これは、筋力が衰えて踏ん張る力が弱くなることで起こります。
特に、フローリングなどの踏ん張りがきかない滑りやすい床のお宅は要注意です。
滑り防止のマットを敷いてあげることで歩きやすくなり、転倒の怪我も防ぐことができます。
おもらししてしまう
トイレに向かっても間に合わすにトイレでない所で粗相をしてしまったり、おしっこの回数が増えてくるのも老化のサインです。
老化が進むと、足腰が弱るためトイレにすぐにたどり着けないことがあります。
トイレの場所を愛犬の定位置の近くにすることで、おもらしを防ぐことができます。
ますます犬の歩行が困難になってきたら、トイレのタイミングでトイレまで連れてあげていってください。
ずっと側で見てあげられない場合は、おむつを履かせておくことも効果的です。
また、頻尿などおしっこのパターンが変わってくるので、膀胱炎や腎炎などの病気の傾向がないか注意して見るようにしましょう。
下りの階段や段差を嫌がる
先に書いたように、老化で足腰が弱ることで、階段や段差などの昇り降りやジャンプがおっくうになってきます。
口に出して言えませんが、老化の影響で四肢の関節に痛みが起きていることもあるのです。
階段がある家は、段差に補助のスロープをつけて安全対策をしたり、なるべく段差移動のない生活環境にしてあげるとよいでしょう。
急に触ると驚く
老化が進むと、視覚、聴覚などが衰え、周囲の認識能力が弱まります。
周りの様子がよくわからずウロウロしていたり、不安がって鳴くこともあるでしょう。
急に触られて驚き、噛むような動作をすることもあります。
触れたり抱き上げる前には、名前を呼ぶなどして声をかけて「ここにいるよ」と知らせてあげることで、犬のストレスを軽減することができます。
観察日記をつける
老化の進行や表れは、犬種や個体によってさまざまなので、7歳を過ぎたらみんな同様に衰えてくるものではありません。
毎日しっかりと愛犬の様子を見守り、気になることや異常を感じたらカレンダーや日記に書き留めておきましょう。
動物病院に相談をする時も、いつから、どのような症状が出ていたかが詳細にわかることで診断の助けにもなります。