犬の出産、必要に応じた介助とケア

愛犬が出産の兆候を見せたら、緊張するものです。
落ち着いて母犬の様子を見守りましょう。

獣医師と連絡をとっておく

愛犬が妊娠したら、出産までにかかりつけの獣医師に複数回検診を受けるようにします。
家で産ませる場合は、予定日などを獣医師さんと共有し、万が一の場合に備えておきましょう。
初産でどうしたらいいかわからない、出産を介助する自信がない、都合で出産に付き添えないといったような場合は、獣医師に任せたほうが安心です。
特に小型犬にみられる難産が多い犬種も、獣医師に委ねたほうが安心できます。
チワワやポメラニアンのように退治数が少ない犬種は、子宮内で子犬が育ち過ぎて難産になるケースがあります。

陣痛

出産が近づくと、陣痛が始まります。
陣痛は胎児を押し出す子宮の収縮運動で、ごく軽くいきみ始めると徐々に強まっていき、呼吸も早くなります。
肛門と外陰部の間が出っ張ってきたら、分娩間近です。
ここで、強くいきむようになってから、1時間たっても出産に至らないようであれば、難産の恐れがあります。
この場合、かかりつけの獣医師に連絡して指示を仰ぎましょう。

分娩

陣痛には波があります。
激しくいきんで一旦収まり、また強くいきむのを繰り返します。
このパターンに合わせ、母犬がいきんでいる時に軽く腹部を圧迫して分娩を助けます。
母犬を労りながら、優しく声をかけながら行うとよいでしょう。

娩出時(子犬が体外に出る時)の体勢は、母犬に任せます。
立って排便する時のように産む犬もいれば、横たわったまま分娩する犬もいます。
やがて、胎膜に包まれた子犬が1匹ずつ生まれます。

新生子の処置

子犬が産まれたら、母犬に任せてすぐに触らないようにします。
母犬は子犬を舐めて胎膜を破って拭い、臍の緒を切ったら食べてしまいます。
子犬の顔を舐めて鼻や口に詰まった液状のものを舐め取り、子犬が呼吸できるようにしてあげます。
母犬のこの子犬に対する行為は、子育ての為の母性を確実にするためのプロセスなため、産み落とした直後はすぐに子犬に触れないことが鉄則です。

しかし、母犬が子犬にまるで無関心であれば飼い主さんが介助をする必要があります。
子犬を包む胎膜を破り、臍の緒を子犬の腹から2cmあたりを糸で縛り、その先(母親側)を切って処置をします。
ガーゼやタオルで子犬の体の汚れを拭い、母犬の顔の近くに子犬を差し出して舐めるように促しましょう。
母犬が噛み切った臍の緒が長過ぎる時も、上記の要領で処理をします。
臍の緒の処置が済んだら、子犬の性別、特徴、体重を測り、記録しておきます。

出産後の注意

子犬を全て産み終えると、母犬を子犬を舐めながら授乳を始めます。
出産後3〜4時間はそっとしておき、子犬達が寝たら母犬を産箱から出し、汚れたからだを拭き、ミルクなどを与えましょう。
母体が元気なようであれば、排泄のために5〜10分程度の散歩に連れていき、その間に産箱の掃除をして綺麗にします。

 

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