犬が撫でられて気持ちよいところはこちらでご紹介していますが、反対に、犬も触れられると嫌なところがあります。
愛犬とのスキンシップが重要といってもむやみやたらに触ればいいというものではありません。
これには、犬の触覚の仕組みが大きく関係しています。
犬の感覚を知り、愛犬と気持ちよいコミュニケーションをとっていきたいですね。
犬は体の末端が敏感
犬を飼っている方は試してみるとわかりますが、犬の尻尾や足の先に触れると、怒ったり嫌がったりとよい顔はしません。
これは、尻尾や足の先が特に敏感なためです。
足先や尻尾のほかに、耳や口の周りも同様です。
犬の体の末端部分には接触刺激を感じる「触小体」が密集しています。
飼い主に撫でられる場合でも、上記の部分はあまり喜ばないでしょう。
ただし、口の周りは歯みがきで、耳の周辺は耳の掃除でどうしても触らざるを得ません。
小さい頃から口や耳を触られることに慣れさせておけば、成犬になってからも嫌がらなくなるため、意識的に優しく触れて慣れさせていきましょう。
また、前足に触れられるのを特に嫌がる傾向があります。
野生の状態では、前足の大きなケガや障害は死につながる可能性が大きいため、それだけ前足に触れられるのを嫌がるという説があります。
痛覚は鈍い
痛覚、痛みを感じる神経は、個体差や犬種による差が大きく、一般的には大型犬より小型犬のほうが痛みに弱いと言われています。
触覚と同様、痛覚も体の末端部分に集まっている敏感な場所です。
このため、体の重要な部分に傷や怪我、異常などがある場合に気づきやすくなっています。
寒さには強い
温度に対する感覚も、人間ほど敏感ではありません。
犬種によっては、氷点下20℃の屋外でも平気でいられる犬もいます。
寒さに対して、暑さへの耐性は弱くなっています。
皮膚にエクリン汗腺(人間の汗をかく穴)がごく少なく、人間のように発汗して体温調節を行うことができません。
このため、暑い場所では、涼しい場所に寝そべって体温を下げようとします。
しかし、室内飼いが基本の小型犬は厳しい環境で生きてきていないため、暑さにも寒さにも弱い特徴があります。
室内で小型犬を飼っているお宅は、夏は涼しく、冬は暖かく、温度調節に気をつけてあげましょう。