尿石症は、尿結石が原因で発症する病気ですが、では、なぜ尿結石はできてしまうのでしょうか?
尿結石ができる仕組みを知っておけば、予防に役立てることができます。
尿結石ができる仕組み
【1】尿道の細菌感染
尿が通る尿路から菌が入り、ウレアーゼ産生菌などが原因の膀胱炎などになると、おしっこのpHがアルカリ性になり、おしっこの成分であるアンモニウムが増えて結石ができやすくなります。
【2】おしっこのpHが偏る
おしっこのpHが酸性、またはアルカリ性のどちらかに偏ると、特定の尿結石ができやすくなります。
【3】水分摂取量の減少とおしっこの量
水を飲む量が減ると、おしっこの量も少なくなります。
その結果、おしっこが濃縮されて尿結石ができやすい状況になります。
【4】不適切な食事
尿結石はマグネシウムやリン酸、アンモニウム、ケイ酸などのミネラルが元になって作られます。
このため、ミネラルバランスが悪い食事をしていると、おしっこの中にリン酸やアンモニウム、マグネシウムなどが多量に溜まり、結晶ができやすい状況になります。
尿石症の診断
尿石症を診断する際は、3つの検査を行います。
・尿検査
おしっこのpHや成分の比重、出血や細菌の有無を調べたり、顕微鏡で結晶の種類などを調べます。
・レントゲン検査/エコー検査
膀胱の異常(溜まり具合)や、尿結石がある場合は大きさや数を調べます。
・結石分析検査
結石を取ったら、検査センターなどに送って尿結石の種類を特定します。
おしっこが出ずに閉塞状態だった場合は、さらに血液検査などで全身の状態を調べます。
尿石症の治療法
尿石症の治療は、特別療法食を与えることから始まります。
結石の元となるマグネシムやリンなどを制限したごはんを与えながらおしっこのpHを補正し、結晶状態の尿結石を溶かしていきます。
大きな結晶の場合、または尿結石がシュウ酸カルシウムの場合は、手術で取り除くことになります。
手術後に膀胱に炎症や感染がある場合は、抗生剤を飲ませます。