歯周病や歯の摩耗、犬のお口のトラブルを知ろう

犬の口腔トラブルは、虫歯より歯周病などの歯や歯茎の異常である場合が多数です。
人間には馴染みのない症状もあり、犬のお口のトラブルを知り、日頃から愛犬のデンタルケアにつとめましょう。

歯周病

犬の口腔トラブルで最も多いのが歯周病です。
炎症の進行具合によって、歯肉炎と歯周炎に分けることができます。

歯肉炎
歯周病の初期段階。
歯周ポケットに食べかすなどがたまり、最近が繁殖し始める。
歯は白から黄色や茶色っぽくなり、歯茎は赤く腫れてきます。

歯周炎
歯肉炎が進行して、歯肉以外にも炎症が及んでいる状態です。
歯周ポケットが深くなり、最近がかなり繁殖してバイオフィルム(ぬるぬるした菌膜、抗生物質などでは破りにくく薬での治療は困難)が作られます。
歯肉の赤みと腫れが増し、歯垢や歯石が増え、口臭もするようになります。
場合によっては痛みが発生し、愛犬が痛がる素振りを見せたり、食欲の減退に繋がります。

破折(はせつ)・咬耗(こうもう)

破折は歯が折れること、咬耗は歯がすり減って摩耗することです。
破折は、歯が縦に割れるケースが多くあります。
動物の骨や蹄などの硬いガムやおやつ、木製のおもちゃなどが原因になりやすく、これによって神経が剥き出しになる痛みで何も食べられなくなることがあります。
硬すぎるおもちゃではなく、愛犬に合ったおもちゃを与えるようにします。

眼窩下膿瘍(がんかかのうよう)

口腔内の炎症が深部に広がって、上顎の骨を溶かし、目の下あたりが腫れ上がり、酷くなると膿が出てくる症状です。

乳歯遺残(にゅうしいざん)

成長とともに抜け落ちる乳歯が、生え変わりの時期を過ぎても抜けずに残っている状態。
原因は不明ですが、そのままにしておくと歯垢がつきやすく、歯周病のリスクが高くなります。
噛みあわせにも影響が残り、折れて根本が残ると腐ってしまうこともあります。
半年〜7ヶ月くらいで獣医さんに歯の生え変わりをチェックしてもらうといいでしょう。

口鼻瘻管(こうびろうかん)

主に犬歯周辺の炎症が進行して、上顎の骨が溶け、鼻と口が貫通してしまう病気です。
口の中の細菌や食べかすも鼻に入りこみ、くしゃみや鼻血が出ることがあります。

歯周病が疑われる場合

口腔内のトラブルだと思えなくても、鼻水が多い、鼻血が出る、食べ方がおかしい、食欲が減った、顔が腫れている、変な臭いがする、膿が出たなどの症状がある場合、歯周病が原因になっている疑いがあります。
異常を感じたら、早めに獣医師に診せに行きましょう。

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