犬・猫にもスキンケアが必要な理由とは?

実はあまり知られていませんが、犬猫の肌は人間に比べてデリケートなのです。
なぜなら、多くの犬・猫の体は被毛に覆われており、皮膚が人間のように外に出ていません。
また、当然皮膚の仕組みも違うため、犬・猫に適したスキンケアをしてあげる必要があります。

皮膚の働き

皮膚は、さまざまな刺激物質や微生物などから体を守ったり、体内の水分や体温調節を行う重要な役割があります。
皮膚が正常に働くためには、健康で丈夫な皮膚の構造を保ち、ケアを行うことが大切です。

皮膚の構造

皮膚は、一番外側から

表皮
真皮
皮下組織

の順番で構成されています。

特に、最も外側の表皮は、体を保護するバリアの機能を果たしており、とても重要です。
表皮は外側に向かって成長し、最終的には角質層となって垢や汚れとして剥がれ落ちます。
犬の表皮の成長は約3週間の周期で繰り返され、角質層を形成しています。
スキンケアで丈夫な角質層を維持することで、潤いのある腹を保ち、肌のバリア機能を高めることにつながります。

人と犬・猫の皮膚と被毛の違い

【1】犬や猫の表皮は薄い
人の赤ちゃんの肌は薄く、成人の約半分の厚みと言われています。
犬猫の表皮は人の赤ちゃんよりさらに薄く、約0.1mm以下しかありません。

【2】被毛が多い
犬・猫の場合、1つの毛穴から多いと数十本の被毛が生えています。
人間は、1〜数本。
特に太く長い一次毛と短く細い二次毛(下毛と呼ばれる)の2種類に分けられます。

【3】換毛期がある
日照時間や気温の変化が毛の成長サイクルに影響し、主に春と秋に下毛が生え変わります。
柴犬や秋田犬、ハスキーなどは換毛期が明らかですが、はっきりしない犬種もいます。

【4】皮膚のpHが違う
犬の皮膚のpHは6.2〜7.8で、人の肌のpH4.8(弱酸性)や、猫のph6.4より高く、細菌が繁殖しやすい環境にあると言われています。

【5】汗の種類が違う
人はエクリン汗腺からさらさらした汗をかきますが、犬や猫はこれが肉球にあるのみでとても少なく、アポクリン汗腺という毛包(毛穴)についている腺からじわじわとべたつく汗が出ます。

【5】多様な毛の色
被毛に含まれるメラニン色素の種類と分布が異なることから、犬猫の経路は非常に多様です。
メラニンは紫外線から肌を守る働きがあることから、白い毛の犬猫は日焼けを起こしやすい傾向があります。
人間でも、白人種のほうがメラニン色素が少ないため紫外線の害を受けやすいのと同様です。

皮膚のケアが必要な場合

犬・猫が引っ掻いて肌を傷つけたり、持病で体の抵抗力が衰えていたり、適切な栄養を摂れていなかったり、遺伝による体質などの問題を抱えている場合、表皮の成長周期(ターンオーバー)が乱れ、不健康な肌(角質層)が作られることがあります。
本来のバリア機能が充分に発揮できないため、病原体が増える、フケが目立つなどの皮膚トラブルが起きやすくなります。
このため、健康で丈夫な皮膚を保つためには、日々の被毛と皮膚のケアが重要になります。

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