犬のショック状態で疑われる病気

ショック状態とは、意識レベルが低下して、立って動く事が難しい状態の事です。
ショック状態になると、臓器が機能障害を起こして血液の循環障害などが急激に起きます。
その結果、細胞に酸素や栄養素などが行き届かなくなってしまいます。具体的に、体温の低下、歯茎から血の気が引く、異常な呼吸、失禁などの症状が起こります。
生命の危機が迫っている状態なので、このような状態になったら一刻も早く獣医師の処置を受ける必要があります。
ほぼ全ての病気がショック症状を起こす可能性があるので、いざという時に慌てないようにしましょう。

ショック状態を起こす原因

多くの場合、交通事故などでの大怪我や各種中毒、熱射病、日射病、熱中症、血栓症、てんかんの重積などで急に起こります。
持病の悪化や、肝臓、心臓の疾患、代謝性疾患などもショック状態に陥る事があります。

ショック状態で確認するポイント

意識の低下、姿勢がおかしい

立つことができず、意識が低下しているように見える場合は危険です。
横たわったまま手脚を無意識に動かしていたり、首を伸ばして頭を後ろに反らせた姿勢を取っている場合も危険です。

眼球の動きがおかしい

眼球が上下または左右に震えるように往復運動をしている場合は危険です。
瞳孔が開くか縮瞳(しゅくどう)していたり、眼球に刺激を与えても全く動かず反応が見られない場合もショック状態の症例です。

呼吸がおかしい

無呼吸あるいはほとんどないように感じられたり、寝ているような状態に見える場合があります。
呼吸が不規則で、息が詰まっているように見える場合も危険です。

歯茎の色が違う

歯茎がいつもの色と異なり、濃い、または薄くなる事があります。

失禁がある

意識がほとんどない状態で、おしっこやうんちが漏れてしまう状態は危険です。

ショック状態を起こしてしまった場合

ショック状態の多くは意識が低下しているので、家の中でも外でも怪我をしてしまう可能性が高くなります。
毛布やブランケットなどに包み、安全な場所に一旦移動しましょう。
意識がほとんどない場合、呼吸ができるように首を伸ばしてあげます。
酸素ボンベやスプレータイプの酸素吸入器があれば酸素を吸わせてあげましょう。
高熱がある場合、脇や腹部、脚の付け根を冷やして体温を下げます。
嘔吐がある場合、吐いたもので喉が詰まらないように注意して見ます。
症状の内容やレベルであれ、ショック状態は命の危機が迫っているサインなので、一刻も早く動物病院で処置を受ける事が大切です。

 

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