犬の食べる量や回数が増えた時に疑われる病気

犬や猫にとって、食欲は健康状態のわかりやすいバロメーターです。
食べる量や回数が増える事を多食といい、場合によっては大きな病気が関係している事もあります。
多食の原因はいくつか考えられ、代謝が活発になり、エネルギー消費量が増えたためエネルギー補給のために食べる量が増える事があります。
糖尿病や腸の機能障害があると、食べたものがしっかりエネルギーに変換されないため、食べ過ぎてしまう状況があります。

多食の原因

多食の原因は、生理的な物と病気が原因の物と2通りあり、また、太る場合と太らない場合があります。

多食で太る

成長期の場合は、食べる量が増えて体が大きくなるので体重増加は普通です。

妊娠期の場合は、お腹の赤ちゃんが大きくなる分体重が増加します。

薬の副作用で太る場合があります。
治療中の病気のため、ステロイド剤や抗ヒスタミン剤、抗けいれん薬などを服用していると、副作用で太る事があります。

競い食いは、多頭飼いをしている場合に起こります。
多数の犬でご飯を競い合って食べるため、食べすぎてしまう傾向です。
1匹ずつごはんを分けると、食べ過ぎを防げます。

病気の場合
副腎皮質機能亢進症にかかっていると、腹部が張ってくる事があります。
突発性後天性網膜変性症は、症状の1つに多食があります。

多食なのに体重が変わらない

授乳中のメス犬や運動量が豊富な犬、寒冷地で飼育されている犬(特に冬季に屋外で飼育されている場合)は、多食でも太りません。

多食でも痩せる

普段の食事が低カロリー食の場合、多食でも痩せる事があります。

多食で確認する事

多食の行動が見られたら、体重に変化がないか定期的に確認するようにします。
妊娠、授乳中、成長期や運動量が豊富な子の場合、他に異常がなければ多食を心配する必要はありませんが、様子はしっかり確認しておきましょう。
家族や他の動物が増えるといった住環境に変化によるストレス増加なども多食につながるので、こういった状況も把握しておきます。
食べ物を変えてからよく食べるようになった場合は、嗜好性による場合があるのであげすぎには気をつけます。
病気で投薬中の場合は、薬の副作用で太る事があるので、獣医師に問題がないか確認してもらいましょう。

病院に連れていく必要がある場合

下痢がある

膵外分泌不全、炎症性腸疾患、消化管内寄生虫症、リンパ管拡張症などの可能性があります。

腹部に張りがある

肝臓の腫大を起こす副腎皮質機能亢進症の可能性があります。
他にも、リンパ管拡張症などのさまざまな病気が考えられるので、病院で詳しく調べてもらいましょう。

 
短期間の体重の異常な増加・減少が見られ、下痢や飲水量の増加、お腹の張りが見られる場合は病院に連れていき、獣医師の診断を仰ぎましょう。

 

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